キャンプ場経営に必要な許可や申請の種類は?許可不要の場合も

新たに土地を取得してキャンプ場経営に乗り出したい。
所有している遊休地や遊休農地を活用してグランピング施設経営を始めたい。
アウトドアブームをビジネスチャンスとしてとらえ、新事業を考えている方も多いのではないでしょうか。

土地はあるけど、キャンプ場って勝手に作っても良いもの?何か特別に許可や資格が必要なのでしょうか。
必要になる可能性がある許可、届出について調べてみました。

キャンプ場を始めるには「旅館業」の許可が必要?

利用者が宿泊できる設備を設置し、宿泊料を受ける場合には「旅館業」の営業許可が必要になります。
ロッジやコテージはもちろんですが、常設のグランピングテントやトレーラーハウスなども旅館業法の「簡易宿泊所」に当たります。
許可を得るためには一定の要件や構造設備基準が設けられており、クリアしないと許可は下りません。

無許可での営業が発覚してしまうと、懲役6か月以下もしくは罰金3万円以下に処せられることがあります(旅館業法10条1項)ので、注意が必要です。

利用者が、持参したテントや、キャンプ場でレンタルしたテントを自分で張って泊まるだけのキャンプ場の場合、旅館業の許可は必要ありません

宿泊できる設備を設置する 利用者が自分でテント張って宿泊
旅館業営業許可 許可不要

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バーベキュー食材の提供をするだけでも「飲食店業」の許可が必要?

手ぶらでも楽しんでもらえるようなキャンプ場だと、バーベキュー用の食材提供は欠かせません。また、グランピング施設の場合は朝食バイキングなど集客力のあるサービスを取り入れたいとお考えかもしれません。

食材や料理の提供をする場合「飲食店業」の許可消防署への届出(防火対象物使用開始届)が必要です。
バーベキュー食材を提供するだけでも必要です。

飲食店業の許可は種類がたくさんあり、希望する営業形態によっては、食肉販売業の許可なども併せて必要になる可能性も。また自治体によっても申請・届出が違います。
管轄の保健所が窓口ですので、相談して必要な許可を取得しましょう。

また、許可申請には各施設に専任の「食品衛生責任者」と「水質検査の実施」が不可欠です。
「食品衛生責任者」はその施設で働く人が資格を取得しなければならず、他施設との兼任が認められません。
「水質検査」は上水道を使う場合は必要ありませんが、貯水槽や井戸水を使う場合は実施が必要になります。

バーベキューの場所を貸し出すだけの場合は、もちろん飲食店業の許可は不要です。

食材や料理の提供をする 焼き場を提供するだけ
旅館業営業許可
消防署への届出
許可不要

アルコール提供には「酒類販売業免許」が必要?

生ビールやカクテルなどのお酒を紙コップなどについで提供する場合は「酒類販売業免許」は必要ありません

また飲食店業の許可を得て営業していて「食事の一部として」コップやグラスについだアルコールを提供する場合も、特に免許は必要ありません。

注意
ただし、深夜0時過ぎにバーなどでアルコール類を提供する場合には、警察署に「深夜酒類提供飲食店営業」の届出が必要です。

ビンや缶のアルコール類を販売する場合には「酒類販売業免許」のを受ける必要がありますが、キャンプ場などのシーズンによってお客さんが集まる場所では「期限付酒類小売業免許」の許可が下りる場合があり、販売することが可能になります。

販売場の所在地を所轄する税務署に免許の申請をして取得します。

ビンやボトルのアルコールを販売する コップに注いだアルコールを提供する
酒類販売業免許
または
期限付酒類小売業免許
飲食店営業をする 飲食店営業はしない
深夜0時以降も
アルコールを提供する
深夜0時以降は
アルコールを提供しない
許可不要
飲食店業許可
深夜酒類提供飲食店営業届
飲食店業許可
参考 酒類の販売業免許の申請国税庁 参考 酒期限付酒類小売業免許届出について国税庁

森林の伐採をする場合は「林地開発許可」が必要?

防災や水源確保など、森林のはたらきが無秩序な開発によって脅やかされることのないよう定められたのが「林地開発許可制度」です。
森林を伐採・開発する場合には、あらかじめ知事の許可が必要となります。

許可が必要になるのは、土石等の採掘、林地以外への転用など、土地の形質を変える行為によって1haを超える開発行為で、キャンプ場の設置もこれに当たります。

注意
  • 対象森林は登記上の地目とは関係がない
  • 国有林や保安林を除くほとんどの森林が対象
  • 自分の山でも必要

許可の申請先は、市区町村の森林保全係、林業振興課などの窓口になります。
許可申請にはたくさんの書類を揃えなければならないうえ、申請してから80日(土日祝日及び補正期間は含まず)という非常に長い標準処理期間が必要です。時間にゆとりをもって、事前に窓口へ相談されることをお勧めします。

森林伐採する 森林伐採しない
伐採面積は1ha以上 伐採面積は1ha未満 許可不要
林地開発許可 許可不要
参考 林地開発許可制度林野庁

1ha以下の伐採は「許可」は不要ですが「届出」「報告」が必要です

森林所有者などが森林の立木を伐採する場合、1ha以下で林地開発許可が不要な場合でも、事前に伐採及び伐採後の造林の計画の届出を行うことが義務づけられています
また、伐採後の造林が完了してから、状況の報告を行うことも義務づけられています。

伐採・造林する森林がある市町村の長になります。

注意
  • 対象森林は登記上の地目とは関係がない
  • 多くの森林が対象となる
  • 自分の山でも必要
森林の伐採をする
1ha以下 1haを超える
事前:伐採及び伐採後の造林の届出
事前:小規模林地開発届
事後:造林報告届
林地開発許可(上記参照)
参考 伐採および伐採後の造林の届出等の制度林野庁

農地をキャンプ場にしたい場合には許可が必要?

キャンプ場にしたいと思う土地の地目が、もし「農地」だったら…

どんなに欲しくても、相手が売りたいと思っていても、自分が農家でなければ農地を買うことはできません
売買にあたっては、まず、売主と一緒に農地転用の手続きをする必要があります。

参考
もし農業をやるために農地を買いたい場合は、「農家」になれば農地の購入も可能です。
農業委員会の台帳に登録される必要があり、
「認定申請書」
「営農計画書」
などを提出すると、新たに農家になれるようです。

また既に所有している農地を作り変えてキャンプ場を経営しようとする場合にも、農地転用手続きをして地目の変更が必要です。
その土地の地目が何に当たるのかは、法務局や地方法務局(又はその支局)で、その土地の登記事項要約書か、登記事項証明書を取得すれば確認できます。

必要な手続きは、その土地が都市計画法においてどの区域に該当するかによって手続きが変わります。

都市計画区域内 都市計画区域外
市街化区域
(比較的易しい)
市街化調整区域
(非常に難しい。許可がおりないことも)
都市計画法の規制は受けないが、市街化調整区域内の取り扱いに準じる
市区町村の農業委員会へ
農地転用届
都道府県知事、または農林水産大臣からの
農地転用許可
都道府県知事、または農林水産大臣からの
農地転用許可

農地の転用には厳格な要件を満たすことが必要となり、必ず許可が下りるとは限りません。
特に市街化調整区域では、基本的に農地の転用は禁止なので、非常に難しく許可が下りないことも十分あり得ます。

参考 農地転用許可制度について農林水産省

キャンプ場を作ることは「開発行為」に当たる?許可は必要?

キャンプ場を作ることは、都市計画法の規制を受けるのでしょうか。

規制を受けるのは「開発行為」と言われるもの。
開発行為とは「建築物の建築または特定工作物の建設のために土地の区画形質を変更すること」とあります。(都市計画法第4条第12項)

キャンプ場は「特定工作物」には当たらないため、キャンプ場を作ることは「開発行為」ではありません。
原則許可は不要です。

ただし、ロッジや宿泊棟などの建築を計画している場合は「開発許可」が必要になる可能性もあります。
また、開発許可の基準の細かい部分は都道府県等により異なりますので、市区町村の都市計画課などに確認されることをお勧めします。

都市計画区域内の場合 都市計画区域外の場合
原則不要
建てる付属建造物によっては必要となるケースも
不要
既存のキャンプ場をグランピング施設にするために必要な準備や許可申請と注意点まとめ

建築確認

管理棟や宿泊棟など建物を建てる場合には、建築確認申請が必要なケースもあります。

建築確認が必要かどうかのチェックポイント

  1. 「都市計画区域」か「都市計画区域外」か
    • 「都市計画区域」ならば、建築確認が必要
    • 「都市計画区域外」ならば、建築確認は不要 → ただし以下2~5に当てはまらないかチェック
  2. 「更地に小屋のみを新築」か「母屋が建っている土地に小屋を増築」
    • 更地に小屋を「新築する」場合は、確認申請が必要
    • すでに建物が建っている土地に小屋を増築する場合は不要 → ただし以下の3~5に当てはまらないかチェック
  3. 土地は「防火地域・準防火地域」か
    • 防火地域・準防火地域に指定されている場合は、建築確認が必要
  4. 小屋は「10㎡」を超えるか
    • 防火地域・準防火地域でなく、10㎡以内の小屋なら建築確認は不要
    • 旅館業法の許可が必要なものであった場合、建築基準法上の特殊建築物になる可能性が限りなく高い
  5. 土地の「用途地域は無指定」か
    • 防火地域・準防火地域でなく、土地の用途地域が無指定であれば、10㎡を超える小屋でも建築確認は不要

テントやトレーラーハウスの場合は

グランピングテントやトレーラーハウスが「建築物」に当たらない条件は概ね以下の通りです。

  • ライフラインとして設置してある配線・配管設備が、工具によらず手で取り外しできるよう着脱式になっていること。
  • 移動しようとした時、いつでも移動できるような大きさであり、形であり、設置がなされていること。
  • (トレーラーハウスの場合)移動する場合に障害となるような階段・ポーチ・ベランダ・柵など設置されていないこと。

通常は設計や施工を請け負う工務店や建築事務所が行いますが、自身での建築をお考えの場合は、窓口となる都道府県へ確認が必要です。

グランピング施設でドームテントが人気の理由|オススメ3タイプを比較してみた

最後に

キャンプ場を始めるには、たくさんの種類の法律が関係していて、実に様々な許可や届出が必要になるようです。
候補の土地の種類によって、どのようなサービスを提供するキャンプ場にするのかによって必要な許可も変わってくることがわかりました。

キャンプ場開設の企画や準備に集中するためには、行政書士などの専門家の力を借りるのも一つの方法でしょう。
特に許可になると用意する書類の種類も多く、時間も長く掛かります。
オープンしたい時期から逆算して、時間の余裕をもって準備されることをお勧めします。

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