既存のキャンプ場をグランピング施設にするために必要な準備や許可申請と注意点まとめ

手軽に贅沢感のあるアウトドア体験ができることで人気のグランピング。

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日本各地に新しいグランピング施設が出来ている一方で、既存のキャンプ場でもグランピングのサービスを取り入れて集客UPを目指すところも増えています。

「普段はキャンプを楽しんでいるけれど、たまには手軽にグランピングをしてみたい」という層や、逆に「キャンプをしてみたいけど手始めにグランピングから」という層が存在することから、キャンプ場の利用の選択肢として「グランピングもできる」というのは有効な集客手段です。

とはいえ、キャンプ場の一角に常設テントを用意するだけでは、グランピング施設としての運営をしていくことができません。というのも、キャンプ場とグランピングでは法律的に異なる業種だからです。

今回は、既存のキャンプ場をグランピング施設としても運用するために必要な準備、手続き、注意点についてまとめました。

既存のキャンプ場にグランピングを取り入れるための準備

一般的なキャンプ場の一部にグランピングサイトを設ける、もしくはキャンプ場を全面的にグランピング施設に変えて運用したいと思った時に、行うべき準備をまとめました。

準備①:他のグランピング施設を視察する

漠然と「キャンプ場でグランピングもやれば集客できるかな・・・」と考えていても、実際にどういうグランピングがお客さんから求められているか、喜ばれているサービスは何か、動線はどういう風に作るのが良いか、料理やアメニティーは・・・、集客のできるグランピングサイトを作るために、まずは他の施設を視察することをお勧めします。


(出典:glamping-resort.jp

現在開業しているグランピング施設の様式も多岐にわたっているので、その中からお客さんの満足度が高い施設を選んで、どういった点を重視してグランピングサイト運営をしていくべきか、またそれが可能かどうかについて精査してみましょう。

準備②:宿泊形態を選ぶ

グランピングの大原則として、「テントの設営などの手間がなく、屋外で快適な宿泊ができる」という点があります。

グランピング施設での宿泊形態の多くはテント泊(常設テント)ですが、キャビンやロッジ、トレーラーハウスやキャンピングトレーラを宿泊ルームとして提供している施設も少なくありません。


(出典:pica-resort.jp

最も経済的な初期投資が少なくて済むのは、テントを利用した形態


(出典:shojiko.jp

とりあえず軌道に乗るまで常設テントを利用し、集客がうまくいくようであればトレーラーなど増やしていくのも一つの手段です。

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準備③:資金計画をする

グランピングサイトを作るためには、基礎工事やウッドデッキの構築、水回りや電源などのインフラ整備が必要になってきます。


(出典:sanamane.jp

とりあえず空いている土地を少し整備してテントを常設して提供することもできますが、インテリアやエアコン・ストーブなど設備投資が必要です。


(出典:pica-resort.jp

どういうグランピングサイトを作っていき、お客さんが快適に過ごして満足できるようにするにはどうしたらいいか、少しずつ具体的に考えて資金計画を作っていきましょう。

既存のキャンプ場にグランピングを取り入れるための手続き

現状キャンプ場として営業しているところであっても、グランピングを取り入れるためには新たに取得しなくてはならない許可がいくつかあります。

許可申請というとちょっと面倒臭そう・・・というイメージですが、グランピングを行うには避けては通れない道。

根気強く取得していきましょう。

必要な許可その①:旅館業の許可

キャンプ場の敷地を提供してサイト代を得たり、テントをレンタルしてお客さんが自分で設置するタイプのキャンプは旅館業に当たらないので、旅館業の許可申請は必要ありません。

しかし、常設テントやコテージ、トレーラーハウスなどあらかじめ設置してある場所にお客さんを泊めるというサービスは旅館業法の対象となります。

旅館業の許可は自治体の保健所から受け取ることができますが、申請方法や必要となる書類は各自治体で異なります。

申請に必要な書類例 (各都道府県や市によって若干異なります)

  • 旅館業営業許可申請書:施設・構造設備の概要を記載する
  • 申告書
  • 見取図:周囲の住宅・道路・学校などを記載する
  • 配置図・各階平面図・正面図・側面図
  • 配管図:客室にガス設備を設ける場合
  • 定款または寄附行為の写し:法人の場合
  • 登記事項証明書:法人の場合

旅館業の許可申請は、自治体にもよりますが営業開始の1ヶ月前までに行う必要があります。

実際には追加の書類や手直しが必要な場合も出てきますので、ある程度計画が定まってきた時点で申請をスタートさせて相談を受けるのが無難です。

申請に必要な書類や手数料などは、施設のある自治体の窓口に問い合わせてみてくださいね!

必要な許可その②:建築確認

一般的に「いつでも解体が可能で動かすことができる」テントやトレーラーハウスを宿泊施設として利用する場合には、建築確認は必要ないようです。

その一方、コテージやキャビンなど「土地に定着している建造物」を利用する場合は、自治体の建築指導課で建築建築確認を得る必要があります。

また、テントであっても、自治体の建築指導課の判断で建築確認が必要、となる場合もあるようです。

後になって「やっぱりこれでは許可が下りない・・・」となってしまわないよう、早い段階で各自治体の建築指導課に相談をしてみることをお勧めします。

許可① 旅館業の許可・許可② 建築確認について詳しくはこちら⬇️
グランピング施設用のテントは建築基準法や旅館業法の対象?建築確認や条件・土地選びのポイントも

必要な許可その③:飲食店業の許可

一般的なキャンプ場を経営している場合には、焼き場を提供して利用者が自由に食材を持ち込むパターンが多いと思います。
その場合には、飲食店業の許可は必要ありません。

グランピング施設であっても、食材は全て持ち込みでBBQコンロなどのみを提供する場合には飲食店業の許可は要りません

とは言っても、快適なグランピングを提供するためには食材とセットになったプランや朝食も用意したいところですよね。


(出典:nap-camp.com

となると、「飲食店業」の許可消防署への届出が必要になります。

また、飲食店業の許可を得るためには、施設に専任の食品衛生責任者がいることが必須になります。

食品衛生責任者の資格は、自治体で講習を受けることで取得できる資格で、有効期限もないので、現状食材提供は行わないという場合でもタイミングで取得しておくことをお勧めします。

飲食業店の許可申請は各自治体の保健所が窓口になっていて、自治体によって申請書類も異なるため、グランピングを始めたいと思ったら早めに相談をしてみましょう。

必要な許可その⓸:酒類販売業免許

すでにキャンプ場で瓶や缶入りのアルコールを販売しているところはすでに取得済みかも知れませんが、これまで一切アルコールの販売をしておらず、これからグランピングで提供したいという場合には、新たに酒類販売業免許を取得する必要があります。

自動販売機であっても、瓶や缶のアルコールを取り扱っている場合は免許が必要です。

深夜0時以降も瓶・缶のアルコールの販売を行う場合には、酒類販売業免許に加えて、警察署に「深夜酒類提供飲食店営業」の許可申請も行う必要があります。

ただし、シーズンによってお客の集まるキャンプ場などは「期限付酒類小売業免許」の許可が下りる場合があるほか、グラスにビールやワインを注いで提供する形であれば、酒類販売業免許は必要ありません

許可申請の窓口は各自治体の税務署です。

許可③ 飲食店業の許可・許可⓸ 酒類販売業免許について詳しくはこちら⬇️
キャンプ場経営に必要な許可や申請の種類は?許可不要の場合も

既存のキャンプ場にグランピングを取り入れるための注意点

今あるキャンプ場にグランピングを取り入れるというのは、より多くの客層から利用してもらえる可能性があり、集客UPに繋がる良いアイデアです。

でも、SNSや口コミサイトも充実しているこのご時世、やるならきちんと本腰を入れなければ、悪い評価ばかりついてしまってキャンプ場自体からお客さんがいなくなってしまう・・・なんて悲しい結末も。

せっかくグランピングを始めるなら、これまでのトイレ・シャワーなどの共用部分も新しくリノベーションするなど、キャンプ場利用客とグランビング利用客どちらからも満足を得られる努力が必要になってくるでしょう。

チェックイン時などにアンケートを渡し、お客さんの意見を取り入れながらより良い施設になるよう日々工夫をしていくと良いですね!

グランピング経営で成功するためのポイントはこちらでも詳しくまとめています⬇️
グランピング施設経営に成功するには?注意点や失敗例から学ぶべき5つのポイント

まとめ

今回は、既存のキャンプ場にグランピングを取り入れるために必要な準備や許可申請、注意点についてまとめてみました。

参考にしていただけると幸いです!

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