事業再構築補助金とは|対象となる企業や条件・補助内容を調査

長く続くコロナ禍の状況に苦しむ企業や事業主が多い中、政府が救済策として打ち出したのが、事業再構築補助金。

令和2年度に引き続き、令和3年度も複数回の公募が行われているとのことで、どんなものか気になる方も多いですよね。

というわけで、今回は事業再構築補助金の対象となる企業や条件、補助内容についてまとめました。

事業再構築補助金の申請に必要な書類や、見積もり提出時期についてはこちらの記事を参照ください↓

事業再構築補助金の必要書類|見積書を提出する時期を調査

事業再構築補助金の対象となる企業と条件

事業再構築補助金とは、その名の通り事業内容を再構築し、コロナ禍で低迷してしまった売り上げを立て直すための補助金です。

コロナの影響を受けた事業者は数多くいるはずですが、まずは自分の会社や事業がこの補助金に申請する条件を満たしているかが気になるところですよね。

どういう形態や規模の会社であってどういう条件下にあれば申請することができるのか見てみましょう。

事業再構築補助金の対象企業

事業再構築補助金の対象となるのは、以下の企業・事業者です。

    • 個人事業主
    • 小規模事業者

      業種分類 中小企業基本法の定義
      製造業その他 従業員20人以下
      商業・サービス業 従業員 5人以下
    • 中小企業

      業種分類 中小企業基本法の定義
      製造業その他 資本金(または出資の総額)が3億円以下の会社
      または
      従業員の数が300人以下の会社および個人
      卸売業 資本金(または出資の総額)が1億円以下の会社
      または
      従業員の数が100人以下の会社および個人
      小売業 資本金(または出資の総額)5千万円以下の会社
      または
      従業員の数が50人以下の会社および個人
      サービス業 資本金(または出資の総額)が5千万円以下の会社
      または
      従業員の数が100人以下の会社および個人
    • 中堅企業:中小企業の範囲に入らない会社のうち、資本金10億円未満の会社または従業員2700人以下
    • NPO法人:収益事業を行う等の要件を満たすNPO法人

つまり、個人事業主から、資本金が10億円以下の中堅企業、さらにはNPO法人でも対象の事業者となるわけです。

また、事業内容にも制限はないため、どんな職種であっても対象となります。

事業再構築補助金の申請条件

事業再構築補助金の申請のための条件は、大きく3つあります。

コロナ前と後で売り上げが減っている

申請前の直近6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していることが条件となります。

例えば2021年6月に申請を行う場合、2020年12月〜2021年の5月までの直近6ヶ月のうち、より売り上げが少なかった月を3つ取り出し、コロナ以前の時期の同じ月と比較します。

例えば・・・

12月 1月 3月
2021年 500,000 50,0000
2020年 850,000 1,500,000 50,0000
2019年 100,0000 1,000,000 600,000

上のように、2019年と2020年と年が異なっても、同じ月であれば比較対象として提出可能です。

また、該当の3ヶ月は連続していなくてもOK、さらに計算は3ヶ月分の合計を比較するため、全ての月において10%の現象がなくてもOKです。

つまり、1ヶ月でも大きく下回っている(30%以上の減少)があれば、他の月が同じ数値でもOKということになります。

上の表で言うと、2021年1月の売り上げが、2020年1月の売り上げの1/3しかないので、他の月がどうあれさほど影響はしませんね。

事業再構築に挑む

補助金は、あくまで「事業再構築」のために支給されるもののため、「これまで通りの事業を続けるための資金」ではありません

とはいえ、同様の事業を続けながら、新しいサービスを始めると言う場合にも適用されます。

例えば・・・

  • イートインのみだったレストランが、テイクアウトやキッチンカーでの販売を新しく始める
  • 店舗販売だけだった雑貨店が、ネットショップでの販売やレンタルを始める
  • キャンプ場やホテルがグランピングのサービスも始める
  • 喫茶店が飲食スペースを減らしてコーヒー豆や焼き菓子の販売を始める
  • フィットネスジムがオンライン講習を始める
  • タクシー業が宅配サービスを始める
  • お弁当屋さんが高齢者向けのデリバリーサービスを始める
  • 金属系製品の工場で、アクリル板などの製造を始める

などなど、全く違う業種にチャレンジせずとも、サービスの仕方を変え、そのために必要な物資やレンタル品、ノウハウ、改装費用、人件費などを補助してもらえるというわけです。

コロナ禍も長く続き、先が見えない昨今、これまでの事業を続けていくのか、それとも少し新しいことにチャレンジしてみるか・・・、悩んでいる企業には心強い補助金ですね。

認定経営革新等支援機関と事業計画を策定する

事業再構築をするための事業計画を、認定経営革新等支援機関と一緒に策定する必要があります。

認定経営革新等支援機関は、↓の検索システムで県別・業種別に検索ができます。

認定経営革新等支援機関検索システム

助金額が3,000万円を超える計画になる場合には、金融機関(銀行、信金、ファンド等)も参加して策定をしなくてはならないことになっていますが、金融機関が認定経営革新等支援機関も兼ねている場合には金融機関だけでもOK。

上の検索システムで、普段やり取りのある金融機関が認定経営革新等支援機関として登録されていれば、そちらでお願いするのも良いですね。

または知り合いの司法書士さんなど、住所が企業と離れていてもOKです。

ちなみに、この事業計画を作るためにかかる相談費用は、補助金の対象となりません

認定経営革新等支援機関の選び方や支払う代金についてはこちら↓

事業再構築補助金の申請で司法書士や行政書士の選び方や支払う報酬は?|補助金の対象になる?

 

以上が、事業再構築補助金の対象となる企業・事業主と、申請するための条件です。

この条件が揃っていれば良いと言うことなので、新しく何かを始める予定がある事業者さんはコロナ前後で売り上げがどのくらい変化しているかをチェックしてみましょう。

またはその逆で、10%以上売り上げが減っている事業者は、何か新しいサービスや事業方式の開拓について考えてみましょう。

実際に申請に必要な書類については、↓の記事を参照ください。

事業再構築補助金の必要書類|見積書を提出する時期を調査

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事業再構築補助金の補助内容と期間

では、事業再構築補助金では実際にどのような補助をうけることができるのでしょう。

補助内容と、申請の区分について見ていきます。

補助対象経費

補助金の補助対象となる経費例は以下のようになっています。

  • 建物費(建物の建築・改修、建物の撤去、賃貸物件等の原状回復)
  • 機械装置・システム構築費(設備、専用ソフトの購入やリース等)、クラウドサービス利用費、運搬費
  • 技術導入費(知的財産権導入に要する経費)、知的財産権等関連経費
  • 外注費(製品開発に要する加工、設計等)、専門家経費 ※応募申請時の事業計画の作成に要する経費は補助対象外
  • 広告宣伝費・販売促進費(広告作成、媒体掲載、展示会出展等)
  • 研修費(教育訓練費、講座受講等)

(参考:事業再構築補助金の概要

事業を再構築するにあたって、ノウハウから必要資材や工事、広告など多岐にわたって補助の対象となることがわかりますね。

ただし、一過性の支出と認められるような支出が補助対象経費の大半を占めるような場合には、支援対象にはならないとのことなので留意が必要です。

補助対象外の経費

逆に、補助対象にはならない経費の例は以下になります。

  • 補助対象企業の従業員の人件費、従業員の旅費
  • 不動産、株式、公道を走る車両、汎用品(パソコン、スマートフォン、家具等)の購入費
  • フランチャイズ加盟料、販売する商品の原材料費、消耗品費、光熱水費、通信費

事業の再構築に直接関係がなく、もともと会社や事業の運営に必要だった経費については補助対象外、というイメージでしょうか。

不動産や、公道を走る車両、またフランチャイズ加盟料あたりも、留意しておく必要がありますね。

補助事業の実施期間(経費が補助対象となる期間)

補助事業の実施期間は、次のようになっています。

  • 通常枠、緊急事態宣言特別枠:交付決定日~12か月以内(ただし、採択発表日から14か月後の日まで)
  • 卒業枠、グローバルV字回復枠:交付決定日~14か月以内(ただし、採択発表日から16か月後の日まで)

それぞれの申請区分(枠)については、次の項でまとめていきます。

事業再構築補助金の申請区分と補助内容

上の項でご紹介した、補助対象となる予算について、全額が補助されるわけではありません。

事業の規模や事業内容によって補助の割合などが異なり、申請区分が異なるため、それぞれの申請区分についてまとめました。

中小企業向けの通常枠

中小企業(個人事業者なども含む)で、補助金申請の条件にあてはまる事業者が申し込める最も一般的なのが、「通常枠」です。

通常枠の補助額と率は以下のようになっています。

  • 補助額;100万円~6,000万円
  • 補助率:2/3

中小企業向けの卒業枠

中小企業で、事業計画期間内

  1. 組織再編
  2. 新規設備投資
  3. グローバル展開

のいずれかによって資本金または従業員を増やし、中小企業から中堅企業へ成長する事業者について、限定400社が採択されるのが「卒業枠」です。

卒業枠の補助額と率は以下のようになっています。

  • 補助額;6000万円~1億円
  • 補助率:2/3

自領再構築をし、計画期間で大幅に従業員を増やす予定があり、中堅企業となる場合などには、より補助額の高い「卒業枠」への申請が可能となります。

「卒業枠」に申請をし、もしも採択されなくても、自動的に「通常枠」で再び審査をしてもらえます

中堅企業向けの通常枠

中小企業の範囲に入らない会社のうち、資本金10億円未満の会社または従業員2700人以下の中堅企業で、申請の条件に当てはまる場合に申請するのが「通常枠」です。

通常枠の補助額と率は以下のようになっています。

  • 補助額;100万円~8,000万円
  • 補助率:1/2(4000万円以上は1/3)

中小企業の補助額上限よりも少し高い設定ですが、補助率が低く設定されています。

中堅企業向けのグローバルV字回復枠

中堅企業を対象に設けられている「グローバルV字回復枠」は、以下の要件を全て満たす中堅企業向けの特別枠で、100社限定で採択されます。

  • 直前6か月間のうち任意の3か月の合計売上高がコロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して15%以上減少している
  • 補助事業終了後3~5年で付加価値額または従業員一人当たり付加価値額の年率5.0%以上増加を 達成を見込む事業計画を策定する
  • グローバル展開を果たす事業である

グローバルV字回復枠の補助額と率は以下のようになっています。

  • 補助額;8000万円~1億円
  • 補助率:1/2

グローバルというのは海外での事業展開などで、追加の提出書類があります。

また、「グローバルV字回復枠」で申請して不採用となった場合にも自動的に「通常枠」で再審査されます

緊急事態宣言特別枠

事業再構築補助金の条件を満たす中小企業等のうち、令和3年度の緊急事態宣言で深刻なダメージを受けた企業や事業者は、同時に「緊急事態宣言特別枠」への申請も可能です。

緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や、不要不急の 外出・移動の自粛等によって影響を受け、令和3年1~3月のいずれかの月の売上高が対前年または前々年の同月比で30%以上減少している事業者が対象で、緊急事態宣言が発令された都府県の企業でなくても、また事業内容に関わらず、申請できます

例えば東京や大阪の飲食点などはもちろん、開催を断念したイベント会社や、観光客が激減した宿泊業、客足が減って売り上げが大きく落ちた小売業なども対象で、従業員数と事業規模によって補助額と率が異なりますが、通常枠よりも補助率の優遇があります。

緊急事態宣言特別枠の補助額

従業員数 補助金額 補助率
5人以下 100万円~500万円 中小企業:3/4
中堅企業:2/3
6~20人 100万円~1,000万円
21人以上 100万円~1,500万円

この緊急事態宣言特別枠にも採用の上限があり、申請して必ず採択されるわけではありませんが、不採択となった場合には「加点」の扱いとなり自動的に特別枠で優遇して審査してもらえるそう。

なので緊急事態宣言中に大きく売り上げが落ちている事業者さんは申請した方がよいですね。

申請時に緊急事態宣言特別枠にチェックを入れ、売り上げが30%減っていることを表す書類を別途添付する必要があります。

通常枠、また特別枠の申請に必要な書類についてはこちらで紹介しています↓

事業再構築補助金の必要書類|見積書を提出する時期を調査

 

事業再構築補助金の申請は、一見面倒にも思えますが、書類を揃えてしっかりと事業計画を作ることができれば採択される可能性も高い補助金なのだそう。

ただし、補助は対象金額の全額ではないため、自ら借入等しなくてはならない場合もある上に、そこから実際にV字回復ができるかどうかというのはまた別の問題となっています。

新しいサービスや事業を開拓するにあたって、必要な人材やノウハウ等も含めしっかりと計画していくことが大事ですね。


以上、事業再構築補助金の対象となる企業や条件、補助内容についてまとめました。

参考にして頂けたら幸いです。

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