都会の喧騒を離れて、しばらく自然豊かな場所でのんびりしたい・・・
アウトドアブームやコロナ禍を経て、そんな風に考える人も多くなっています。
コロナ禍でリモートで仕事をすることも増え、インターネットなど必要な環境が整えば、どこでも仕事ができるということを改めて認識した人も多いのではないでしょうか。
コロナ禍でもグランピング業界に関しては、ダメージを受けるどころか上昇を続けることができたのも、アウトドアでありながらwi-fiやワークスペースの確保といった面に配慮している施設が多いからという理由も大きいかと思います。
そんな中、再注目を集めているのが「別荘」。
といっても、70年代に流行したようないわゆる別荘地というものではなく、個人で山を購入してセカンドハウスを建てたり、土地だけ借りてコンテナハウスを移動したり・・・と、別荘を持つことへの自由度がぐっと上がっているように思います。
そんな中、今注目されているのが、「別荘のサブスクリプション」。
会員制で、会費を納めつつ、各地にある別荘を好きな時に利用できるというサービスで、「決まった場所に別荘を持っても飽きちゃいそう」「管理や維持費が大変そう」「固定資産税など意外と経費もかかりそう」「行くたびに掃除をするのも面倒」といった、「別荘=憧れはあるけど、所有するのはなんとなく億劫」なイメージを利用したサービスと言えます。
そこで今回は、別荘のサブスクで人気の2社の、サービス内容や料金プランを比較してみました!
5700人が登録待ち!SANU 2nd Home|月額¥55,000
(参照:2ndhome.sa-nu.com)
2021年11月のサービス開始以来、登録希望者が増え続け、2022年12月時点で登録待ちが5700人という別荘のサブスクを運営しているのが、SANU 2nd Home(サヌ セカンド ホーム)。
「自然の中にもうひとつの家」をコンセプトに、東京からアクセスが良く、自然豊かな場所を選んで、オリジナルのキャビンを別荘として提供しています。
SANU 2nd Homeの料金プランやサービスの特徴などを、簡単にまとめていきます!
(※2023年8月1日から規約や料金体系が変更になるとのことで、2023年8月1日以降の内容に統一しています)
月額¥55,000+¥3,300(清掃) / 回
まずは、月の固定費。
SANU 2nd Homeで提供しているサブスクリプションは月額¥55,000で、実際に宿泊した場合に別途¥3,300が清掃費としてかかります。
また、利用するのが週末の場合、¥5,500が加算されます。
この月額¥55,000というのがかなり絶妙な金額で、例えば同様のコテージを借りたり、グランピングをすると家族3人で1泊につき同じくらい、またはそれ以上の金額がかかります。
ということは、月に1泊以上利用すれば、元は取れるというイメージ。
でも、そんなに会員登録待ちがいるほど人気なのであれば、もしかして予約が取れなかったりするのか・・・?疑問に思いますよね。
実際の会員はどのくらいの頻度で宿泊利用できるのか、事項で紹介します!
年間30日〜利用可能
SANU 2nd Homeでは、実際に別荘を所有している人の使用状況を調査し、平均して年に30日を別荘で過ごしているというデータを元に、会員になれば年に30日以上は利用できるよう、会員数を制限しているそう。
実際に、SANU 2nd Homeの会員の利用パターンは月に3泊程度、つまり年に36日ほどが多いのだそう。
平日のみの利用であれば、¥55,000÷3=¥18,333、清掃料を毎回払ったとしても¥21,633なので、約2万円で1棟を利用できる計算です。
週末での利用だとしても、1泊あたり3万円以内で1棟借が可能となります(キャビン宿泊の場合。その他建築スタイルによって追加料金が発生する場合あり)。
東京都心からのアクセスと立地から八ヶ岳・白樺湖・北軽井沢エリアなどを中心に2023年5月現在、9拠点53室を展開しているSANU 2nd Homeですが、2024年までに20拠点200室を目標にしているとのこと、それにより現在ウェイティングとなっている登録希望者も順次利用できるようになる、というわけです。
さらにその後は日本全国のみならず、世界へもサービスを拡張していく予定なのだとか。
交通費などはかかりますが、海外に自由に使える別荘があるって考えると、夢広がりますね・・・!
一棟の定員は4名(キャビン)
(参照:2ndhome.sa-nu.com)
SANU 2nd Homeは、既存の建物をリノベーションし別荘として運用するだけでなく、オリジナルのキャビンを各地に建設して運用しています。
そのため、基本的には同じつくりのキャビンが各地に増えていくイメージで、このキャビンの最大定員は4名となっています。
セミダブルベッドが2台なので、大人2名+子供2名がちょうど良いサイズ感とのこと。
また、会員が同行していれば家族はもちろん、お友達や同僚と一緒の宿泊も可能です(定員以内なら人数による価格の変動はなし)。
リノベーションして運用している宿泊棟に関しては、大きさによって最大6名で利用できるところなどもあるので、利用人数によっても宿泊先を選べるのも◎。
一滞在あたりの連泊上限は4泊まで
(参照:2ndhome.sa-nu.com)
会員の方が公平にスムーズに予約を取れるよう、一滞在あたりの連泊の上限は4泊までと決まっています。
チェックアウト予定日の3ヶ月前から予約可能で、同じ月に入れられる予約は一件のみという決まりもあるので、希望の日が決まっている場合には早めに予約を入れた方が良さそうです。
逆に、その時に空いているお部屋をキープして、知らない土地を楽しむというのもワクワク感ありますね。
煩わしさのない無人チェックイン
(参照:2ndhome.sa-nu.com)
ネットで予約の際に発行されるパスコードでキーボックスを開け、お部屋に入れるシステムなので、到着してからフロントでチェックイン・・・といった手間がなく、自分の別荘感覚で気兼ねなく滞在を始められます。
wifiはもちろん、清掃・リネン交換なども
(参照:2ndhome.sa-nu.com)
自然の多い場所というと、wifiがなかったりと、不便を楽しむという考え方もありますが、滞在中にネットが使えないというのはやはりネックになりますよね。
SANU 2nd Homeの会員は30代・40代の働き盛り世代がメインということもあり、ワーケーションでの利用もできるようにwifi環境やワークスペースもちゃんと確保してあります。
家電や食器、寝具なども必要なものは揃えてあり、食材を持込めば自由に料理を楽しんだり、アウトドアでBBQもOK。
ペレットストーブやプロジェクターなど、普段の生活ではないようなワクワクする設備も揃っています。
また、チェックアウト後は、退出すると地元の清掃業社さんに連絡が行って、お掃除をしてもらえるという気軽さ。
所有している別荘なら、換気やホコリ落としから初めて、掃除で終わる・・・というマイナス要素がないというのは大きいメリットですね。
ペットとも宿泊できる
全てではありませんが、一部のエリアに設置されている「SANU CABIN – Dog Friendly 」というペット同伴可能のキャビンでは、ペットのわんちゃん2匹まで一緒に宿泊可能です。
大切な家族の一員である犬も一緒に利用できる場所がちゃんと用意してあるのは、愛犬家さんにとって嬉しいサービスですね。
おしゃれで快適で自然を満喫できる別荘を全国各地に持てるサブスクSANU 2nd Home、気になる方はSANU 2nd HomeのWebサイトをチェックしてみてください。
最低契約期間は3ヶ月
サブスクリプションの契約をしてからも、忙しくてなかなか利用できないなどの理由から解約せざるを得ない場合もありますよね。
お得なサービスというと、「1年間は契約しなくてはならない」というようないわゆる「シバリ」がある場合もありますが、SANU 2nd Homeの最低契約期間は3ヶ月となっています。
4ヶ月目以降は、3回目の決済完了以降、アカウント情報画面から解約申請が可能(解約希望日の2週間前に申請が必要)で、解約の際の違約金などもありません。
とりあえず3ヶ月間は契約が続くので、その間にできるだけ体験してみて、自分に合っているか、思ったように予約ができるか、検討してみるのがいいですね。
一度も宿泊利用がない月も月額¥55,000はかかり、「サブスクリプションの休止」などはないため、ライフスタイルにうまく組み込めるかどうかもポイントとなりそうです。
OURoom|月額8,000円から別荘が持てる!従量課金型の会員制別荘サブスク
「いつもの居場所がふたつある暮らし」をコンセプトに、2022年10月から別荘のサブスクを提供している、OURoom。
都心から約1時間半〜3時間でアクセス可能な地域に、暮らすように滞在できるというサービスで、海外輸送用のコンテナを断熱・エアコン完備の快適なゲストルームとして運営しています。
都会の喧騒から離れて静かにのんびり過ごせる別荘を、サブスクで提供、というコンセプトはSANU 2nd Homeとほぼ同じですが、料金体系などが異なっています。
月額¥1,000+¥7000〜(利用料)+¥2,000(清掃費) / 回
OURoomは月額¥1,000の月会費と、利用に応じて都度課金されるシステムです。
月の固定費用分が少ないため、年の利用頻度がそこまで多くないかも、という方にもお勧め。
宿泊をしてもしなくてもかかるサブスクリプション料金は月に¥1,000のみで、宿泊利用をした場合のみ、以下の金額が課金されます。
月〜木: ¥7,000〜/ 泊
金・日: ¥8,000〜/ 泊
土: ¥9,000〜/ 泊
+ 清掃費:¥2,000〜/ 滞在
※)上記価格は宿泊棟の種類や利用する棟数によってバリエーションがあり、また年に15日ほどの繁忙期にはハイシーズン価格となります。
1泊1棟あたりで清掃費も含めて¥10,000〜ということなので、より気軽に別荘を持つ感覚を味わうことができます。
海上輸送コンテナを利用したコンテナハウス
東京から2時間程度の好アクセス地に「もうひとつの居場所」を作ることがコンセプトのOURoom、現在数カ所でプロジェクトが進行中のようですが、2023年5月現在稼働しているのが、茨城県大洗町にある「OURoom 1st」です。
海上輸送に使用されるコンテナを、断熱を入れてリノベーションし作られたコンテナハウスが採用されています。
(参照:ouroom-oarai.notion.site)
広さ14.76 m2とコンパクトな室内は、ミニマムながら快適な空間に作り込んであります。
(参照:ouroom-oarai.notion.site)
全部で3棟のコンテナハウスが並んでいて、2つが居住棟、1つはダイニング棟となっており、1棟から3棟まで組み合わせで利用することができ、棟数に応じて宿泊料金が変わります。
1棟利用 | 2棟利用 | 3棟利用 | |
居住棟 | 居住棟+ダイニング棟 | 居住棟×2+ダイニング棟 | |
1泊料金(月〜木) | ¥7,000 | ¥9,000 | ¥14,000 |
1泊料金(金・日) | ¥9,000 | ¥10,000 | ¥16,000 |
1泊料金(土) | ¥9,000 | ¥11,000 | ¥18,000 |
1泊料金(ピークシーズン) | ¥14,000 | ¥17,000 | ¥27,000 |
清掃料(1滞在につき) | ¥2,000 | ¥3,000 | ¥4,000 |
(※ 料金プランは変更になる場合があります。登録時に公式ページでご確認ください)
居住棟の最大定員は2名ということで、例えばひとりでワーケーション兼ねて滞在する場合には1棟のみ、カップルで食事を作ったりダイニングを使いたい場合は2棟、3名以上で宿泊する場合は3棟・・・とパターンが選べる仕組み。
(参照:ouroom-oarai.notion.site)
外にはガーデンスペースもあるので、天気が良ければ外で食事をするのも良さそうです。
(参照:ouroom-oarai.notion.site)
エアコン・トイレ・シャワーはもちろん、食器や家電など一通り揃えてあるので、ホテルや旅館とは全く異なる「別荘」感覚で利用できるというのがいいですよね。
大洗の町を見下ろす小さな丘の上にあるので、夕焼けや星空もきれいに見え、ゆっくりと滞在をしながら町を散策したり地元のスーパーで買い物をしたり・・・、少しずつ「もうひとつの自分の街」感覚を作っていけるのがいいです。
(参照:ouroom-oarai.notion.site)
wifi環境、ワークデスク、ワークチェア完備
(参照:ouroom-oarai.notion.site)
ワーケーションでの利用ももちろんOK、ネット環境やワークスペースもちゃんと確保してあります。
ミニマムで静かな空間で、日々の喧騒とは離れ、リフレッシュしつつお仕事もはかどりそうですね。
最低契約期間は2ヶ月
OURoomの最低契約期間は契約月を含めて2ヶ月。
3ヶ月目以降は、違約金等なく解約できます。
月額¥1,000と固定費が少ないので利用しなくてもそこまで負担は大きくありませんが、3ヶ月以上利用がない場合は退会を促される場合もあるそう。
会員数と予約できる日数のバランスを調整する必要があるため、特定の時期だけに予約が殺到しないようにという配慮もあるのかと思います。
以上、月額のサブスクリプションシステムで別荘を持つ、というコンセプトを提案しているSANU 2nd HomeとOURoomをご紹介しました。
別荘を所有するとか、常駐の宿を自宅と別に持つ、リゾートマンションを買う、といった考え方は昭和の時代の富裕層や文筆家、芸能人などの文化のような気がしていましたが、令和の時代にはそれが全く新しく、手軽かつスタイリッシュなサービスとして戻ってきた、というイメージですね。
興味のある方は是非、チェックしてみてください!