遊休地を有効に活用したい、キャンプ場から経営転向したい…など、さまざまな理由からグランピング事業に新たに参入しようとした場合、どういったことに注意して施設づくりをしていけばよいのでしょうか。
この記事では、注意すべきポイントやアイデアを、実例を交えながら解説していきます。
どんなグランピング場を作るのか、どういった人たちに利用してもらうのかという、コンセプトとターゲットを明確にするのが一番最初に行う最も重要な作業です。
ここでの決定が、その後のさまざまなハード面、ソフト面での決定に影響します。
キャンプでもない、リゾートホテルでもない「グランピング」なるものを体験してみたい…という顧客層もまだまだ潜在していますが、すでに体験済みの人々も増えています。そういったグランピング経験者たちは、単なる「サービス付きのキャンプ場」では2度目は選んでくれません。「うちはこういうグランピング施設です」と明確にコンセプトを打ち出してアピールする必要です。
など
どういった人たちに利用して欲しいのか、他の競合施設との差別化できるウリをコンセプトとして掲げることが第一歩でしょう。
どういった人たちに利用してもらうのかを決める際、キャンプとグランピングでは、ターゲットとなる利用者層が違うという認識が重要です。
今までキャンプを楽しんできたキャンパーの多くは、キャンプでのあれこれ…自分でテントを張ったり食事を作ったり、自前の道具を揃えたりすることを楽しんでいます。そして「なるべくお金を掛けずにアウトドアを楽しむ」ことも重要な要素と考える人が多いようです。
一方グランピングは、アウトドアは楽しみたいけど
こういった人たちキャンパー予備軍、旅行にアウトドア要素を取り入れたい層を利用者のターゲットに考えましょう。
現在のアウトドアブームをけん引しているのは女性。
特に女性だけの「女子キャンプ」、とにかくかわいくおしゃれに、SNS映えすることからも「大自然の女子会」が人気です。
流行ってるしやってみたい、だけど不安という都会の女子会メンバーもグランピングなら抵抗なく利用できます。
これらのポイントを押さえて、大自然の女子会会場に選ばれるために、女性の利用を意識した施設づくりをするべきでしょう。
平日の予約が見込める団体、法人・学校・外国人観光客などの利用を想定して、受け入れ可能な体制を作ることは、施設の稼働率を安定させるために重要になります。
ポイントは
企業研修誘致のメリットについては、こちらの記事に詳しくありますので参考にしてください。
利用者層が国内旅行を考えている人たちではありますが、ホテル中心の検索サイトでは、リゾートホテルなども多数入ってくるため、エリアを絞った表示でも上位に表示されることが難しくなります。
キャンプ予約サイトでも、グランピングカテゴリーはあるものの、特に推しているとは言えず、そもそも訪れているのがキャンパー中心ですので、集客の当てにするにはまだまだ弱いのが現状です。
集客のためには、
が必要になります。
ホテル予約サイト、キャンプ予約サイトへの掲載と並行して、ネット広告の掲載、ブログサイトの運営、InstagramなどのSNSでの情報発信などもこまめに行い直接アピールすることも効果があるでしょう。
グランピング施設を作るに当たって、どうしても必要になる許可申請類。
避けられない許可申請もありますが、土地の選び方次第でぐっと少なく抑えることもできます。
例えば上下水道の引き込みが出来るかどうかは導入難易度に影響します。
浄化槽を設置する場合は設置費用の他にきれいにした水を流すための許可も必要です。
特に開発許可が必要な土地を選んでしまうと、その申請に掛かる手間・時間・費用は膨大なものに。
またどんなにロケーションが良くても旅館業許可が得られない、建物が建てられない場所もあるので、関連法規のチェックが重要です。
許可申請に関してはこちらの記事に詳しくありますのでご覧ください。
いくらまで初期投資が出来るのか判断するのに、「年商の2倍まで」に押さえるのが目安と言われています。
この説に沿って、具体的な金額を試算してみましょう。
宿泊施設 12棟 平均客単価 20,000円 平均 3名で利用と仮定すると
見込める売り上げは…
一組60,000円 × 12棟 × 365日 × 稼働率14%
≒ 年商3,700万円
その2倍までなので…
年商3,700万円 × 2
= 初期投資可能額 7,400万円
グランピング施設は、宿泊施設にテントを採用することでヴィラを建設するよりも初期投資をぐっと抑えることが可能です。
初期投資が少なければ、投資の早期回収が望めるというメリットにつながります。
グランピング開業・運営についてのご相談お受けしています。
お問い合わせください。
ハードに資金を回さない分、ソフト面=サービスの質や豊富さで利用者の満足度をさらにアップさせることが出来ます。
初期段階で明確にしたコンセプトに沿って、利用者が飽きずに楽しめるよう、さまざまな仕掛けを用意。
チェックインした瞬間から非日常へといざない、リラックスして過ごせる場所やサービスをタイミングよく提供しましょう。
キャンプといえば冬季は休業するイメージが根強いですが、近年は冬季も冬ならではのアウトドアを楽しもうという風潮も活発になっています。
経営も安定するのでぜひ通年営業を視野に施設づくりを目指しましょう。
海の近くに「ブルー」で統一感を出したグランピング場のオーナーは、海や夏のイメージが強すぎて、冬の集客が難しくなったと反省していらっしゃいました。
確かに夏の海は魅力的ですが、プランニングをする際には通年営業を念頭に置いて企画する必要があります。
グランピング場の冬季営業の障害が「寒さ」なのであれば、対策してしまいましょう!
ガゼボ
ガゼボなどの防寒対策されたバーベキュー場も冬場の売上確保につながりますし、冬季以外では雨天時対策にもなり一石二鳥です。
(ガゼボ=西洋風あずまや)
ガゼボ内に流しやコンロを設置すれば、雨でも雪でもバーベキューが楽しめるので天候に左右されにくいので強みになります。
薪ストーブ
夏の暑さ対策に採用したエアコンがあれば冬季は暖房として使用できますが、ちらちら揺れる炎が魅力の薪ストーブがオススメです。
非日常を演出でき、ストーブ自体をウリにすることができます。
保温性の高いテント
グランピング場の宿泊といえばグランピングテントです。同じテントでもその保温性には大きく開きがあります。
保温性の高いテントを選べば、暖房効率もあがり冬の寒さを和らげてくれます。
オススメのテントの比較記事も併せて参考にしてください。
冬ならではの料理メニュー、アウトドアこたつ、雪景色、温泉、くっきりと輝く星空…などなど冬だからこそ楽しめるコンテンツはたくさんあります。それぞれの施設の自然や特徴を活かした魅力をアピールしましょう。
グランピング場を作るに当たって押さえておきたいポイントをご紹介しました。
土地選び、コンセプト設定、宿泊棟選び、具体的なサービスプランなど、スタートに向けて同時に考えなければならないことがたくさんありますが、ポイントを押さえて、グランピング場経営成功の成功へのカギを手に入れましょう!