2020年からのコロナ感染症拡大により、大きな打撃を受けている観光業界ですが、そんな中キャンプ場やグランピング施設はアウトドアレジャー産業ということで逆に客足が伸びた場所も多くあります。
既存のホテルや旅館が続々とグランピングプランを新たに加えるなど、アウトドアは今最も発展している業界といっても過言ではないでしょう。
コロナ対策としてリモートワークが推奨される中、新しく生まれたのが「ワーケーション」という言葉。
仕事(ワーク)とバケーションを両立させるという考え方で、適度にリラックス&リフレッシュできる環境でメリハリをつけて仕事をするというスタイルは海外でも早くから取り入れられていますが、日本では主に「テレワークをバケーション気分の味わえるストレスフリーな場所で行う」という意味合いで使われています。
そこで今増えているのが、「ワーケーション対応」のキャンプ場やグランピング施設。
ワーケーション対応というサービスを付加することで、より多くの集客をと考える事業者さん向けに、キャンプ場やグランピング施設をワーケーション対応にするために揃えたい機材やサービスをまとめました。
まずは、キャンプ場やグランピング施設をワーケーション対応にするために必要な設備や機材をあげてみます。
(出典:photo-ac.com)
なにはさておき、テレワークをするために必要な通信環境wifiは必須です。
元々あるルーターをそのまま利用し、管理棟などからwifiが届く範囲のみでワーケーション対応のサイトを作ったり、また管理棟をリノベーションしてワークスペースを確保するといった方法もありますが、より広範囲に安定してwifiを整備するためには専門の業者に相談が必要です。
キャンプ場へのwifi環境整備に特化している業者例:
Awesome Camp & Glamping(業務用Wi-Fi構築サービス)
また、市町村によっては国の防災対策の一環として公共wifiの整備を行っているところも増えています。
そういった公的なサービスもうまく利用し、「wifiが繋がる施設」としてアピールしていくことが大事ですね。
wifiに続いて重要なのはやはり携帯電話の電波が入るかどうか。
(出典:photo-ac.com)
LineやZoomなどネット回線を使った通話ツールもありますが、業者間や顧客とのやりとりなどはやはり携帯電話がメインという方は多いでしょう。
しかし現状では山間部のキャンプ場など携帯電波が届かない場所もまだ多々あり、そういう場所こそ自然環境は良いのに残念!という声もあるのが事実です。
その問題を解決するのが「フェムトセル」という無線通信エリアを作る端末。
半径数メートルから数十メートルの無線通信エリアを作り出すことのできる端末で、携帯キャリア別にサービス展開されています。
NTTドコモ:フェムトセル小型基地局
KDDI(AU):auフェムトセル
ソフトバンクモバイル:ホームアンテナFT
施設によって「ドコモは入るけどソフトバンクは弱い」など土地の特徴もあるかと思いますので、必要に応じて弱い部分を補強する意味で導入を考えて「携帯電話の繋がる施設」にすることでワーケーション対応になりますね。
仕事が適切にできるデスク・チェアは必須です。
アウトドア用の簡易チェアでもバケーション気分が味わえて良いですが、長時間の作業には向いていないので、高さや座り心地がデスクワークに向いているものがオススメです。
例えば・・・、在宅ワーク用に発売されたチェア「SALIDA(サリダ) YL9」
(出典:itoki.jp)
高級なチェアなので高級志向のグランピング施設にあるととても良いと思います!
キャンプ場でアウトドア気分をより味わいながらだとアウトドアチェア+膝上テーブル+サイドデスクの組み合わせもアリですね。
(出典:amazon.co.jp)
最近は電源付きサイトも増えていますが、ない場合にはノートPCにも対応できる大容量のモバイルバッテリーを必要に応じてレンタルできるように用意しておく必要があります。
(出典:amazon.co.jp)
利用者側でも用意している可能性もありますが、忘れたり切れたりという場合にいざという時にレンタルできるよう用意してあるのがワーケーション対応ですね。
電源付きのサイトの場合は複数機器をつないで充電できるようUSBポート付きの延長コードを用意しておきましょう!
(出典:amazon.co.jp)
スマートフォンの充電などに使う充電ケーブルもレンタルできるように準備しておきましょう。
必要に応じて販売もできるよう新品をストックしておくのも◎
Micro USB、phone、Type-Cと複数のコネクターに対応してあるものが汎用性があってオススメです。
(出典:amazon.co.jp)
ワーケーション利用者が有料サービスとして使えるプリンター / Fax / スキャナーは少なくとも1台用意したいですね。
(出典:amazon.co.jp)
いくらアウトドアといっても、あまりにも暑かったり寒かったり雨風に晒されていたりと過酷な環境では仕事ははかどりませんよね。
可能であればドームテントのような守られた空間に適切なエアコン設備を用意し快適に仕事ができるような環境の確保が望ましいです。
(出典:fdomes.jp)
キャンプ場でよりアウトドア寄りのワーケーションだとしても、タープなどの屋根と風除けは必須ですね。
(出典:amazon.co.jp)
特に天候の悪い日にも対応するため、避難を兼ねたコワーキングスペースとして、天候の影響を受けにくいドーム型テントを大きなものを1基または中型を複数など用意できるとベストです。
コロナ感染症の影響はこれからもしばらく続くと思われますし、リモートワーク・ワーケーションの流れはこれから先も拡大していくと思われますので快適な環境を整えていく方向で考えてみましょう!
一般的にキャンプ場やグランピング施設の管理棟にはちょっとした売店がありますが、ワーケーション対応を考えるとオフィス用品の拡充が必須です。
(出典:i-taisei.co.jp)
サインペン・修正テープ・付箋・マーカー・メモ用紙・クリアファイル・クリップなど基本的なものに加え、充電ケーブルやOAクリーナー、USBメモリ、変換コネクタなどオフィス用品に関するものを揃えてあると良いですね。
また、「急にZoomミーティングが入ったけど服装が・・・!」という人のために、ネクタイ・シャツもいくつか置いてあると意外にニーズがありそうです。
チョコレートなどのお菓子やカップラーメン系の軽食など仕事の合間に食べられるものも揃えたいですね。
水分補給のためのウォーターサーバーはもちろん、仕事の合間の一息や、眠気覚ましなどに自由に利用できるコーヒー・お茶などのサーバーもできたら用意したいです。
(出典:unimat-life.co.jp)
最近はいろいろな種類の飲み物が選べるタイプもあります。
初期投資として難しければとりあえず熱湯も出るウォーターサーバーとドリップコーヒーやティーバックを各種用意とかでもOKです。
日中でも曇りの日など薄暗い場合もありますし、冬場などは日が落ちるのは早いので、適切な明るさで仕事ができる照明が必要です。
電源付きのサイトなどでは照明器具を、ランタンなどを利用する場合にも広範囲に明るさを確保できるものがいいです。
(出典:amazon.co.jp)
次に、「絶対必要ではないけど、あったら嬉しい」ワーケション対応で喜ばれるサービスをいくつかあげてみます。
(出典:amazon.co.jp)
ワーケーションには持ち運びができるノートパソコンやタブレット端末を持っていく方が多いですが、作業によっては大きなモニターがある方が作業がはかどります。
普段からデスクトップとノートパソコンの2台を繋いで作業しているという人も多いので、モニターのレンタルの需要は高いと思われます。
(出典:bepal.net)
キャンプ場やグランピング施設で仕事をしても夜はしっかりアウトドア気分を味わいたい!という方には必須かもしれないのが焚き火台です。
キャンプの醍醐味であると同時に、炎のゆらめきで心も癒してくれる焚き火を楽しみにワーケーションを行っている方も多いはず。
仕事終わりにゆっくり焚き火を楽しむ・・・、まさに普段の通勤生活ではできない体験だからこそ、ワーケーションでは是非用意して欲しいですね。
(出典:goodrooms.jp)
キャンプやグランピングではシャワールームを使うのが一般的ですが、やっぱり仕事終わりや朝、お風呂に入って足を伸ばしたい!という方も多いですよね。
予約制やオプション別料金でも、お風呂に入れる設備があると嬉しいです。
近くに温浴施設があれば送迎サービスなどしてもらえるとさらに嬉しいですね!
仕事の合間などに、自然を感じられるアクティビティで体を動かせたら最高ですよね。
30分〜1時間ほどで回れるトレッキングコースやジョギングコースなどをマップにしたり、簡単なスポーツ用具(縄跳びとかトランポリンなど)やボルダリングウォールなどがあるとリフレッシュできて仕事もはかどりそう。
時間を決めてヨガ教室を開いたりするのも良さそうですね。
(出典:fdomes.jp)
(出典:foodtruck.mellow.jp)
仕事の合間にちょっと何か食べたいなという時に、いつもカップラーメンだと味気ないし、かといって仕事モードの時にアウトドアクッキングも・・・という方に、デリバリーのサービスがあると嬉しいですよね。
近隣のカフェなど飲食店と協力して取り組めば、地域の活性化にも繋がる可能性も。
バンなどでの移動販売やキッチンカーでピザなどを販売してくれたりも良さそう。
(出典:photo-ac.com)
宿泊の場合、仕事終わりにお酒を飲んでリラックスしたい!という方も多いですよね・・・!
ビールだけでなく、日本酒やワインなどある程度幅広く用意してあると利用者としては嬉しいです。
ただお酒の販売には許可がいるため、現状アルコールの取り扱いがない場合には新たに酒類小売業免許を取得しなくてはならないので注意が必要です。
以上、キャンプ場やグランピング施設をワーケーション対応にするために揃えたい機材やサービスをまとめました。
参考にしていただけたら幸いです。