自然の中で過ごすアウトドアブームが続く中、アウトドア好きを公言する芸能人も増えてそのスタイルを参考にキャンプを始める人も増えています。
中でも芸人のヒロシさんは、一世を風靡したにも関わらず芸能界に居心地の悪さを感じ一旦表舞台から姿を消したにも関わらず、自分のスタイルを貫く「ソロキャンプ」という分野で再び注目を集めています。
「他の人を気にすることなくキャンプをしたい」と山を購入したことでも話題になり、男のロマンを突き通す生き方に共感している人も多いですよね。
自分の山を購入して桜の木を植えたりキャンプをしたりする様子をYoutubeで公開して人気のヒロシさんですが、もともと買いたいと思っていたのは無人島なのだとか。
でも実際に探してみると無人島の値段が思ったよりも高かったことから、山を買うことにしたそうです。
そんなヒロシさん、実際に無人島に行ってキャンプをする様子もYoutubeの「ヒロシチャンネル」で公開していて、その自由な感じやサバイバル感に「自分も無人島でキャンプをしてみたい・・・!」と憧れる人も増えています。
そこで今回は、無人島でキャンプをするには何か許可が必要なのか?トラブルを防いで安全にキャンプをするために必要な申請についてまとめました。
日本には、小さいものから大きいものまでなんと6500もの無人島があるそうです。
TVでも無人島でキャンプをするというサバイバル企画などがあり、「自分もチャレンジしてみたい」と思う人もきっといますよね。
でも、無人島でキャンプをしたいからといって、適当な島を選んで知り合いに船を出してもらって上陸してキャンプをしたら・・・これ、実は違法行為なんです。
どんな無人島にもちゃんと持ち主がいて、干潮時に出ている部分は誰かの所有地ということになっています。なので、当然その島に上陸することはもちろん、木を切ってきて薪にしたり釣りをしたりという行為は「不法侵入罪」と見なされます。
いくら家が建っていなからといって、人の土地に入って畑から野菜を取ったら犯罪ですよね?それと同じ感じです。
というわけで、無人島でキャンプをするのには許可が必要です。
ではどんな許可が必要で、どうやって申請をするのかについて説明します。
例えば海を眺めて、「あの島に行ってキャンプがしたいなぁ、あそこなら小さいし誰も住んでいなさそう、船をチャーターしたら行けるかも・・・」と思ったとして、その島が誰のもので誰に許可を取ったら良いのか・・・、そんな時はその島が属する都道府県、市町村の法務局で登記を調べてもらう必要があります。
該当する島が無人島だったとして、誰か個人の所有物なのか、企業が持っているものか、漁協のものなのか、国有地なのかがそこで分かるはずです。
キャンプをしたい無人島が誰か個人の所有地だった場合、その土地主にキャンプをする許可をもらう必要があります。
ただ、よほど知り合いでない限りは見ず知らずの人に立ち入らせることはしない可能性があります。
というのも、万一島で事故が起きたり、火災が起きたりした場合、所有者が責任を問われることになるからです。
運よくその所有者が知り合いの知り合いくらいの間柄だったりした場合には、交渉次第で使用許可をもらえるかもしれません。
その無人島が、近隣の漁協が管理しているものだった場合は、その漁協に問い合わせて許可を得る必要があります。
もしかするとキャンプをして良い無人島として船渡しなどを行なっている場所かも知れないので、その場合船で連れて行ってもらえる可能性がありそうですね。
特定の所有者がいなくて、国が管理している国有地の場合には、その無人島のある地区を管理している市町村の窓口で「上陸許可証」を申請し、条件などに同意する旨を記載して提出します。
日程や目的、人数などを提出するので、万一何かあった時にも役立ちます。入山届けみたいな感じですね。
ただし、国有地でも特別な許可がないと立ち入り禁止になっている島や(遺産があるなど)、海洋公園地域に指定されている島のように自然のものを採取してはいけない決まりになっている島もあるので、その場合は別の島を検討しましょう。
このように、どんなに小さな無人島でも、キャンプをするのには然るべき手続きが必要です。
では、もっと手軽に無人島でキャンプをするにはどうしたら良いのでしょう・・・?
(出典:arigatou-island.jp)
実は、キャンプができる無人島というのもたくさん存在しています。
所有している個人や企業がきちんと整備してインフラも整えてくれているキャンプ場から、かなりサバイバルを味わえるほとんど未開の島まで、様々です。
特に瀬戸内海や沖縄にはそのような「キャンプができる無人島」が数多く存在しているので、調べてみると良いでしょう。
例えば、「アウトドアの達人」としても知られるタレントの清水国明さんが瀬戸内海の無人島を買い、キャンプ場としても開放している無人島キャンプ場 ありが島では、シャワー・トイレ・お風呂などのインフラが整えられつつも、海に浮かぶ無人島での非日常とアウトドア体験を提供しています。
無人島へのツアーも色々と企画されていて、中でも無人島プロジェクトでは、希望者を募って無人島での滞在を経験する体験プロジェクトを企画しています。
また、小型船を所有している民宿や、マリンタクシーの会社などが個別にあらかじめ許可を取ってある島にチャーター船を出してくれるサービスもあります。
例えば岡山県の宇野港から無人島へのチャーター船のサービスを行なっている「海上タクシー 川西マリンサービス」さんでは、宇野港から近い直島諸島の島々(喜兵衛島・牛ヶ首島・京の上臈島・葛島)へ送迎してくれます。
無人島で実際にキャンプをしたことのある人の声では、他のキャンパーによるゴミの放置で島が汚れ、生活感があって無人島らしさを心から味わえなかった、というものがあります。
管理人さんがいてきちんと清掃などに手をかけてくれているキャンプ場でも、マナーやエチケットを守ることは大前提とされていますが、管理の行き届きにくい無人島ではなおさらマナーやエチケットを守らなければいけませんよね。
持ち込んだものはゴミも含めて全て持ち帰るのが鉄則です。
トイレのない無人島であれば、簡易トイレを持参するなどしてできるだけ島の外から持ち込んだものが残らないようにしましょう。
キャンプといえば焚き火をしたり、BBQをしたりと楽しみたいですが、火気には十分に気をつけて火種を絶対に残さないようにしましょう。
実際に瀬戸内海の島がキャンパーの火の不始末が原因で山火事を起こし、消防ヘリが出動するなど大事件になったことがあるそう。
自然を大切にすることはもちろんですが、そうなるとかなりの賠償金もかかりそうですので充分すぎるほど注意を。
一般的に海での釣りは規制されていないことが多く、タモの使用も問題ないことが多いです。
しかし、モリやノミを使ったいわゆる「漁」は漁業権のない一般人は禁止されていることが多く、また地域によって採取してはいけない生き物が決まっている場合が多いです(いせえび、なまこ、あわび、サザエ、とこぶし、うになど)。
決まりを守らなければ密漁として逮捕される場合もあるので、その海域を管理している漁業組合に事前に確認をし、マナーを守って楽しみましょう。
チャーター船などを利用する場合は、その船の方も漁業組合関係者の場合が多いかと思いますので、確認してみてください。
以上、今回は無人島でキャンプをする際に必要な許可や、トラブルを防ぐために守りたいマナー・エチケットについてまとめました。
普段の便利な生活から離れて非日常を味わえる無人島でのキャンプ、決まりを守って安全に行なってくださいね。
参考にして頂ければ幸いです。