年々増加する増加するキャンプ人口。キャンプをテーマにした人気アニメの影響もあって今まで関心がなかった人たちもキャンプを楽しむようになってきました。
業界がにぎわうのはいいことですが、比例して急増しているのがキャンパーのマナー違反によるトラブル。
周りのことを考えない悪質なキャンパーだけでなく、初心者ゆえに知らず知らずのうちにマナー違反してしまっている人も多いようです。
この記事では、自分も周りも気持ちよくキャンプを楽しむために最低限守りたいマナーを解説していきます。
2019年夏、伊豆諸島の神津島(東京都神津島村)のキャンプ場2カ所を本年度を限りに廃止すると都が発表しました。閉鎖されるのは沢尻野営場と長浜野営場の2カ所で、どちらも無料で利用することが出来ました。理由は「ゴミの放置」と「騒音による近隣住民への悪影響」とのことです。
また兵庫県にある大野アルプスランド キャンプ場も当面の間とありますが現在閉鎖されており、再開の目途は立っていません。こちらも理由として「ゴミの放置」や「路上駐車」「芝生への直火」「電柵の破壊」等の迷惑行為が後を絶たないことを上げています。
一部の心無い利用者のせいで、無料のキャンプ場が閉鎖に追い込まれています。対応に負担を強いられた管理側だけでなく、そんな人たちと一緒にキャンプ場を利用した他のキャンパーさんも嫌な思いをしたのではと思うととても残念ですね。
そんな悲しい事態にならないために、気を付けたいことを以下で解説していきます。
自由にテントを張っていいのが魅力のフリーサイト。だからといって完全に「フリー」なわけではありません。
いくら区画が決まっていないからといってあまりにも広い面積を占有するのはNG。グルキャンで大人数で利用する場合も常識の範囲内で設営しましょう。
一家族、一グループで張れるテントやタープの数に制限があるキャンプ場もありますので、事前に確認しましょう。
ペグを自サイトからはみ出して打ち込むのは当然ながらマナー違反。当たり前過ぎるのに守れないキャンパーも多いようです。
サイトの区切りに、目印に四隅に悔いが撃ち込まれているだけで、線が引かれていないキャンプ場もありわかりにくい場合もありますので設営前によく確認しましょう。もしどうしてもはみ出してしまう場合は一声かけて許可をもらってからだとトラブルを防げます。
区画サイトであまりにも隣接するサイトギリギリにテントを張るのも避けたほうが無難です。薄いテント幕だけ隔てて他人と隣接して寝るのもあまり気持ちいいものではありませんよね。
子どもと行くキャンプは自然の中でのびのび遊べて楽しいですよね。
でもお子様を勝手に振舞わせた結果、他の利用者とトラブルになったらせっかくのキャンプが台無しです。
ただし、キャンプで子供をガミガミしかるのも周りの利用者にとってはマナー違反並みに不愉快なこと。
キャンプ場での過ごし方についてお子様と事前に心構えを確認しておきましょう。
ボール遊びやバドミントン、フリスビーなど普段住宅街ではやりにくい遊びをキャンプ場で子供といっぱい楽しみたいところですが、オートキャンプサイトではやめましょう。よその車に当たってしまいトラブルに発展する危険大です。
フリーサイトでも、調理しているところにボールが飛んで行ってしまったら食事も台無しです。
飛び道具遊びは、広場でのびのびやりましょう。
子供だとよそとうちの垣根があいまいなところがあって、他人のエリアにずんずん踏み込んでしまうことも。ショートカットしたり立ち入ったりしないように事前によく話しておきましょう。
非日常に興奮してしまって子供が早く目を覚ますのはよくあること。早朝からよそのテントの前で大騒ぎして爽やかな朝を妨害してはいけません。
早朝でなくても、のんびり過ごしたい人もいます。奇声を発したりふざけすぎたりしないように説明しておいたほうがいいでしょう。
小さな音で掛ける分にはOKの場合もありますが、全面音楽禁止のキャンプ場もあります。事前に確認しましょう。
大音量で音楽を流す、ギターの弾き語りをしながら熱唱は大ひんしゅく、絶対やめましょう。
飲んで楽しく過ごすのを通り越して大きな声で騒ぐのはNGです。酔っぱらって大騒ぎ、挙句の果てにはケンカに発展…などは最悪の迷惑キャンパーです。
特に夜はキャンプ場は大体消灯時間が決められていています。それを過ぎたら、まあ寝なくてもいいけど静かに過ごすのがルール。自然に囲まれた環境ならではの静寂を楽しみましょう。
マナー違反の筆頭に挙げられるのがこのゴミ問題。冒頭でも書いた通りこのゴミの放置問題から閉鎖に追い込まれたほどの深刻な問題です。
キャンプ場では、有料の場合もありますがゴミを処分してくれるところも増えてきましたが、キャンプで出たごみは持ち帰りが基本ルール。
生ごみは帰りの車内がにおわないためにも最小限にできるよう予め皮を剥いてカットしてから持っていくなど、事前に準備して行くとよいでしょう。
出てしまった生ごみは水分が漏れ出さないようにしっかりした袋に入れ、クーラーボックスに入れて持ち帰ればにおいも気になりません。
グランピング施設やゴミを処分してくれるキャンプ場では、きちんと分別して捨てましょう。
分別の仕方はキャンプ場によって違います。受付の時に説明があると思いますのでよく確認しましょう。
自然素材だからそのままにしてもよさそうな炭ですが、大きな誤解です!
炭はダイアモンドの仲間で成分はほぼ炭素、単一元素で構成されているため分解も変化もしないのです。つまり、ずっとそこにそのまま残り続けてしまうということ。
過去にはバーベキューの炭を放置して山火事になり逮捕された例もあります。
残った炭や灰は必ず炭捨て場に捨てさせてもらうか、捨て場がない場合は持ち帰ってお住いの地域のルールに従って捨ててください。(燃えるごみとして捨てる自治体が多いようです)
だけど、まだ燃え残っていたり熱かったりしたら持ち帰れませんよね。
急いで冷ますのに、水を張ったバケツにひとつづつ付けてジュっと冷ます方法があります。
またアウトドア用の「火消し壺」も各メーカーから発売されていますので、活用するのもおすすめです。
キャンプといえば焚き火を楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。でも多くのキャンプ場は直火NG。芝生が燃えて枯れる、焦げ跡が残る、炭が放置されて危険、火の粉が飛んで危ないなどいろいろ理由はあるようです。
現在主流なのが焚き火台を使っての焚き火。各メーカーからいろいろ出ています。持ってなくてもキャンプ場でレンタルできるので、利用して安全に焚き火を楽しみましょう。
テントの多くは燃えやすい素材でできています。焚き火がぱちぱちいう音は気持ちがいいですが、その火の粉が、自分やお隣のテントに飛んでしまったら…危ないし大迷惑です。
風向きなどもありますが、あまりにもテントに近い位置での焚き火は控えましょう。
持ち帰るゴミを減らすために、焚き火でゴミも燃やしちゃおう…というのもNG。紙を燃やせば灰が舞い上がるし、プラスチック素材は燃えると臭いがでます。持ち帰るかキャンプ場のルールに従って捨てましょう。
夏の夜…といえば花火。ですが、花火が全面禁止のキャンプ場もたくさんあります。OKのキャンプ場でも、ロケット花火は音が大きいし危ないので使用はやめましょう。手持ちでも煙や匂いの問題もありますので、風向きや場所を考えて周りへの配慮を忘れずに。
ドアを何度も開け閉め、特に深夜・早朝だとバン!という音が場内に響き渡り迷惑になります。必要なものは、日中まとめて出し入れしておいて、車のドアを何度も開け閉めするのはやめましょう。
スマホを充電したい、エアコンに当たりたい、いろいろ要望から車のエンジンを掛けたままにしたいシーンもあるかもしれません。が、長時間車のエンジンを掛けたままにすると、排気やエンジン音で回りが不愉快な思いをしてしまいます。オートキャンプサイトだけでなく、駐車場でも車のエンジンを長く掛けたままにするのはNGです。
駐車場でもオートサイトでも車の移動は最小限に、そしていつでも停止できる速度で走行しましょう。何かに気を取られている人が歩いていますし、特に小さなお子さんが飛び出してくる危険大です。
集団でワイワイいつまでもおしゃべりしたり、飲食したり、炊事場を占領して居座ったりすると、他の利用者が使えずに困ってしまいます。キャンプ場の炊事場は数も限られている共有スペース。譲り合って利用したいですね。共同スペースに長居するのはNGです。
炊事場に食べかすや生ごみを放置、道具を置きっぱなしにするのはNG!自分が流しを使おうとしたら排水溝に生ごみがぎっしり…なんて考えただけでも嫌ですよね。
来た時よりも美しく、が基本マナーです。
道具を放置するのもマナー違反。次の人が使えるように終わったらすぐに片づけましょう。
トイレもシャワーも共用スペースはきれいに使うのが当然のマナー。もし汚してしまったら自分で掃除するか、手に余る場合はスタッフに申告しましょう。汚してしまったトイレやシャワーをそのまま放置はNGです。
ペットOKのキャンプ場でも周りへの配慮が必要です。
ワンちゃんのリードを長くしすぎたり、離したままにしておくのはNG。キャンプ場には犬が苦手な人もいます。迷惑にならないよう気を付けたいところです。
ごくまれに、と思いますが炊事場の蛇口にホースをつないだり、川や湖の水を使ったりして洗車をする人がいるそうです。洗剤が流れ込んでしまった川や湖では遊びたくないですよね。当たり前ですが、洗車は自宅か洗車場で。キャンプ場での洗車は絶対やめましょう。
臭いの面でも、衛星の面でも止めていただきたいのが気ままなおトイレ。小さい子がどうしても間に合わないなら仕方がない場合もあるでしょうが、大人はトイレで用を足しましょう。自分はスッキリしても周りにとっては迷惑でしかありません。
マナーの悪い利用者やトラブルは、無料や格安のキャンプ場に多く見られる傾向があるようです。
自分はルールを守っているのに心無い利用者のせいで不愉快な思いをしてしまっているのであれば、利用料が高めに設定されているキャンプ場を選ぶのも一つの方法です。
しっかり利用料を取るキャンプ場やグランピング施設は、総じてルールがきちんと定められ、管理も徹底されています。万が一マナーの悪い利用者がいても、スタッフが見回ってくれているので、きちんと注意してくれます。
利用者も高い利用料を払ってでも快適に過ごしたい人に限られてくるため、不愉快な事態はぐっと減るようです。
以上、紹介したのは基本的なルール。普段の生活であれば当たり前のことばかりです。
その他、キャンプ場にはそれぞれルールがありますので、事前に内容を確認しておくのが楽しいキャンプへの第一歩。
ルールを守って、自然を守って、譲り合いの心、思いやりの心を忘れずに行動して、楽しい思い出を作りましょう。